講演録

弊社及びトゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブが開催した講演会の要約を掲載いたします。


2016年9月6日

トゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブ

ビジネス講演会 

パラディア・ホテル にて

 

 

日本の航空業界を理解する - 現状と今後の展望


 

国際的なコンサルタント会社のスタッフで、アエロスペース及び防衛関連事業の専門家である米ノ井氏は、最近の日本の航空産業の発展に寄与するいくつかの重要プロジェクトに関与してきました。

 

講演では、まず最初に、第二次世界大戦後の日本の航空産業の歴史を紹介し、今日のその全体像と将来見通し、また、今後のヨーロッパとの関係についても言及しました。

 

アメリカによる産業禁止が解かれてから60年間の日本の航空産業の歴史は、失敗と成功で彩られています。失敗に目を向けると、64席の民間航空機、YS11プロジェクトが挙げられます。このプロジェクトは10年も待たずに終了、183機を製造した後、1973年に完全に生産中止に追い込まれました。この生産中止について、三つの要素が挙げられます。

 

第一に、営業力の不足、第二に、マーケティングへの注力の不足、第三に、プロジェクトを担ったコンソーシアムが官僚主義に陥ったことにありました。

 

一方、成功の側面は – そういう表現が正しければ – 日本の航空産業が全体として発展を遂げたことが指摘できます。1973年以降、航空産業に身を置く日本企業は、ボーイングとの協力関係を積極的に進めました。このアメリカ企業の様々なプロジェクトで日本企業が関与する割合は着実に増加しました。現在、日本の航空産業の売上高は17,4 billions ドルに上ります。この金額は、アメリカの売り上げ規模の10分の一、フランスの4分の一でしかありません。しかし、カナダのそれと比較すれば70%、また、ブラジルの2.5倍の生産額となっています。

 

また、日本の下請け業者は、ボーイング社からも比較的に高い評価を受けています。毎年、ボーイング社がサブ・コントラクター・オブ・ザ・イヤーを発表しているが、常に多くの日本企業が登場しています。日本企業は、航空産業における技術とノウハウを確実に蓄積してきました。ボーイングとの協力関係とは大きな差があるが、エアバスのA380のプロジェクトにもすでに20社あまりの日本企業が参加しています。

 

このような背景にあって、2008年に日本の産業界は38年ぶりに新しい民間航空機のプロジェクトに取り掛かることを決めました。MRJ(三菱リージョナル・ジェット)プロジェクトです。このプロジェクトは、政府の後押しで、日本の強大な財閥グループの一つ、三菱グループの中核である三菱重工業のイニシアティブによりスタートしました。

 

三菱とそのパートナー企業は、「過去の失敗」に学び、できるだけ官僚主義を排した経営体制を組み、マーケティング、カスタマーサービス重視の体制を構築しました。しかし、航空産業における新規参入につきものの困難は小さくありません。とりわけ、計画の継続性を担保するために必要な発注数を予め確保することの難しさである。現在、発注機数は448、そのうちの180機はオプションとなっています。

 

また、このプロジェクトにおいて、計画遂行のために、いくつかの種類のエンジニアのポストについて急募が相次いでいることにも言及。見方を変えれば、フランスの企業も仕事を獲得するチャンスがあることを意味しています。

 

次に、航空産業の構造及びその主要なアクターについて解説。日本の航空産業は、三菱重工をはじめとするいくつかの主要企業が中心となり、コンソーシアムを構成しています。このコンソーシアムは、ボーイング社の唯一の交渉相手となると同時に、政府からの補助金を受ける機能も果たしています。下請けへの業務の分配は、このコンソーシアムが行う(すなわち、このコンソーシアムを構成する企業が行うということ)。同じようなコンソーシアムは、エンジンの製造分野でも存在しています。

 

最後に、米ノ井氏は、航空産業におけるヨーロッパと日本の協力関係についての今後の展望について語りました。日本の航空産業における構造分析をもとに、今後、ヨーロッパ企業の参画の可能性が考えられる分野として、特にエンジン、システム、装備品等の分野を挙げました。

 

結論として、米ノ井氏は、航空産業で日本のパートナー企業と仕事を行うときに、留意すべき点として、次の4点を挙げました。すなわち、1.軍事産業との関連、2.米国との特殊な関係、3.政治経済構造の認識、4.個人の信頼関係、です。


2015年6月8日

トゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブ

ビジネス講演会 

パラディア・ホテル にて

 

日本のビジネスを理解する - 航空業界を通じて


 

当社が設立発起人に名を連ねるトゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブは、その活動の一環として、去る6月8日に第2回の異文化マネージメントに関する講演会を開催。講演者として、航空業界大手の幹部エンジニアで、日本ビジネスに二十年以上の経験をお持ちのブリュノ・ジャム氏をお招きしました。

 

ジャム氏は、日本の航空業界の各企業との取り引きで得た知見や、日本滞在中の個人的な経験を織り交ぜながら、日本社会の構造を分析。様々な大きさの「サークル」(グループ)が重層的に連なって成立している社会のあり様について言及しました。そして、このような社会構造を持つ日本におけるビジネスで成功するためには、ビジネス分野でのサークル(企業グループ、業界、取引先)に上手く関与し、できればこのサークルの一員として認められることが重要だと説明。日本ビジネスで成功するためのいくつかの手法についてアドバイスを行いました。

 

当社が設立発起人に名を連ねるトゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブは、その活動の一環として、去る4月4日に第1回の異文化マネージメントに関する講演会を開催。

 

当社の代表、岸川が、日本企業の組織と意思決定メカニズムについて講演を行いました。今回の講演では、組織内の調和を優先する日本文化を反映した「根回し」あるいは「調整」というキーワードを中心に、日仏の比較を行いながら議論を展開しました。

 

また、この日本とフランスの組織の違いを踏まえ、日本企業とフランス企業がビジネスパートナーとして仕事をする場合に留意すべき点について言及しました。

 


2015年4月4日

トゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブ

講演・討論会

トゥールーズ商工会議所にて

 

日本の意思決定メカニズムについて


2015年4月4日、トゥールーズ・ジャパン・ビジネスクラブの活動の一環として、岸川コンサルティングの代表、岸川が講演。「根回し」というキーワードから日本の意思決定メカニズムについて解説しました。

 

フランスと日本の組織原理の違いを示しながら、日本人パートナーとの関係を良好に保ちながらビジネスを進めていくために留意すべき事項を説明。その後、活発な意見交換が行われました。


2015年3月5日

ローヌ・アルプス州・ジャパン・ビジネスクラブ

ビジネス講演会

ローヌ・アルプス州商工会議所にて

 

日仏異文化環境の中で、効率的に交渉し、ビジネスを進めるために知るべきこと


ローヌアルプス州ジャパンビジネスクラブから招かれ、JETROとERAI( (Entreprise Rhône-Alpes International)*主催の講演・討論会に、当社の代表、岸川が基調講演の講師及びコーディネーターとして参加。

 

基調講演では「日仏異文化の文脈でどのように仕事し、交渉すべきか」と題し、日仏の組織論、そのビジネスに与える影響、そして日仏の違いを踏まえた具体的なビジネス手法についての考えを示しました。

その後の討論では、パネラーとして参加された東レ・フィルム・ヨーロッパ、フィラガロ・フランス、シグマックス・ヨーロッパのフランス人幹部、また会場の日本人駐在員の方々からも活発に意見交換がなされたところです。

 

*ローヌアルプス州の外郭団体(州内企業の輸出支援、州内へのFDI誘致を目的とする団体)