Fab Lab Festival in Toulouse

2017年5月11〜14日の4日間、トゥールーズでファブラボ・フェスティバルが開かれている。オクシタニ州だけでなく、ベルギーやオランダ、日本からも参加者。各ブースでは、日頃、コツコツと積み上げたモノづくりのアイデアと技術を、実演を交えて熱心に説明する姿が見られた。また、エアバスやコンチネンタルもスタンドを設置するなど、地元の国際企業も草の根のモノづくりをサポートしている。

ファブラボは、フランスでもここ数年、各地に急速に広がり、トゥールーズを州都とするオクシタニ州でも数多くのファブラボが生まれた。任意団体や、自治体が設置しているものなど、形態は様々。その多くは、自治体とりわけ州政府の補助金を受けて運営されている。昨年度、補助対象となったファブラボは15団体で予算総額は約1.5M€。今年度の補助総額は3.0M€に増額される見通しである。


州政府は、近年の地方改革で産業政策に関する権限が強化されており、産業競争力の底上げを図り、雇用の拡大を目指そうとする政策意図がある。

 

ファブラボでは、エンジニア、技術者、学生をはじめとして、物作りの魅力に取りつかれた人々が集う場所、そしてアイデアを形にするための手段を提供。様々な分野の人々や、多様なアイデアを持った人たちが交流し、イノベーションの契機が生み出される。

航空宇宙産業を抱えるオクシタニ州は、製造業の低迷するフランスにおいて唯一、製造業の雇用が増加している地域でもある。エンジニア人口も多く、ものづくりに関心の高い人も少なくないはずだ。ファブラボのような地道な取り組みが、オクシタニ州そしてフランスの産業基盤の強化につながることが期待されている。

 

一方、このフェスティバルの主催者にとって、ファブラボは、産業や雇用のための政策に留まらず、より広い地平に開かれたものである。すなわち、都市の抱える問題に取り組むシンクタンク、環境を改善していくための市民活動の基盤、市民社会、社会システムのあり方をモノづくりの視点で問いかける場として定義づけられている。

いかにも理念重視のフランスならではのアプローチだが、ものづくりには、社会との対話が必要というのは素直に首肯できる考え方だ。日本的には、人間への理解を深めることで作り出すモノに魂が生まれる、 とでも言えるだろうか。

日仏のファブラボのコラボなど、想像してみると楽しい。